統合失調症とは

統合失調症

日本人の約100人に1人の割合で発症するとされ、決してめずらしい病気というわけではありません。同疾患は、自らの思考や感情などがまとめられなくなることで、妄想や幻覚などの症状がみられ、それらによって日常生活にも支障をきたすようになります。発症しやすい世代は10代後半~30代とされ、男性の方が患者数はやや多く、女性患者様では発症年齢が高めという傾向があります。

発症の原因については、現時点で特定されていません。遺伝的な要因をはじめ、脳内の神経伝達物質(ドーパミン、セロトニン、ノルアドレナリン 等)のバランスが乱れている、大きなストレスが加わる等の環境要因などが関係しているのではないかといわれています。

統合失調症でよくみられる症状

  • 現実的ではないことで悩んでいる
  • 自分の悪口を皆に言われている気がする
  • 周りには誰もいないはずなのに音が聞こえる
  • 自分の思考や行動は、他人に支配されていると感じている
  • 話が支離滅裂になっている
  • 人と会うことを避け、引きこもっている
  • 意欲が低下し、好きなことにも興味を示さなくなった など

大きく3つのタイプに分かれる

統合失調症につきましては、患者様に現れている症状から大きく3つのタイプ(陽性症状、陰性症状、認知機能障害)に分類されます。それぞれの特徴は次の通りです。

陽性症状とは

現実的にはあり得ないことについて「ある」と確信している状態で、ないとされるものが見える、聞こえると訴えます。これは、幻覚(幻聴)、妄想と呼ばれるものです。また、考えがまとまらない状態で会話をすることもあるので、相手が話の内容を理解できないこともあります。このほか自他の境界があいまいになりやすいことで、自らの思考や行動等が他人にコントロールされやすいという感覚に陥ります。上記以外にも緊張が極度に達することで異常行動(興奮して大声で叫ぶ 等)を引き起こすこともあります。

陰性症状とは

感情や意欲というものがない状態になっています。具体的には、喜怒哀楽といった感情が乏しくなっています。また意欲や気力といったものも失われているので、何事にも興味や関心を示さないということもあります。さらに人とのコミュニケーションを避け、引きこもるようにもなります。

認知機能障害とは

統合失調症では、脳内の神経伝達物質のバランスが乱れるなどすることで認知機能障害の症状が現れることがあります。この場合、注意障害(注意散漫になり、集中力を欠く)、実行機能障害(あらかじめ計画を立てて、効率的に行動することができない)、記憶障害(記憶力が低下し、新たなことが覚えられない、何をしようとしていたかを忘れる)などがみられるようになるので、日常生活に支障をきたすようになります。

治療について

治療の基本は、薬物療法と心理社会的療法の組み合わせです。薬物療法では、抗精神病薬として定型抗精神病薬や非定型抗精神病薬が用いられます。前者は従来からある薬物で、脳内の神経伝達物質のドーパミンに作用するといわれています。主に陽性症状に効果があるとされています。後者は新しく開発された抗精神病薬で、脳内の神経伝達物質のセロトニン等に作用するので、陰性症状や認知機能障害にも効果がみられるとされています。